【2026ふくしま衆院選 県民の視点】避難解除地域 復興の今目向けて 帰還・移住へ支援充実を

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【2026ふくしま衆院選 県民の視点】避難解除地域 復興の今目向けて 帰還・移住へ支援充実を

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東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から3月で15年。復興のステージは新年度から第3期復興・創生期間に入るが、原発事故で避難区域が設定された12市町村の歩みは一様ではない。有権者は地域の実情に沿った支援の継続と充実を望む。被災地の再生に向けては帰還を促す環境づくりに加え、新たな住民を呼び込む取り組みへの後押しを求める声も多い。







本県4区は12市町村の大半を選挙区とする。4人の候補者が公示以降各地を巡り、医療の充実などの具体策や地域の将来像などを盛んに訴えている。一方、双葉町のまちづくり団体で働く小泉良[み]空[く]さん(28)には各党の公約は復興への熱量が低いように映る。「国の支援が徐々に先細ってしまうようだと、町の再生は難しくなる」。町内のJR双葉駅前を歩きながら、危機感を漏らした。
震災と原発事故に伴う避難者は昨年11月時点で約2万4千人。12市町村の中にも帰還率が9割に上る例がある一方、双葉町など7市町村に帰還困難区域がいまだ残る。政府は2020年代に希望する避難者全員が戻れることを目標に掲げる。
双葉町は2022(令和4)年に特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が解除され、町内への居住が可能となった。駅周辺は町営住宅の整備やスーパーの開店などで生活環境が整いつつある。ただ、町面積の85%を帰還困難区域が占める。帰還促進には居住可能なエリアでの住環境の整備が必要だが、資材価格高騰などを背景に民間による住宅建設の動きは鈍い。単身用・家族用とも受け皿が足りず、町内居住者はここ数年、事故前の人口約7千人の3%、約200人で足踏みが続いている。
大熊町出身の小泉さんは14歳で震災と県内外への避難を経験。進学や会社勤めを経て、5年前に双葉郡に戻った。地域への愛着を胸にホープツーリズム関連の仕事に奔走するが、人手が限られる環境ではできることに限りがある。「町づくりには多くの人が必要」と痛感する日々だ。「双葉町は再び暮らせるようになってまだ『たった3年』。本格的な復興はこれから」と複合災害の特殊性を踏まえた息の長い支援を求める。
国会に送り出す人物には地域の今、刻々と変わる課題を熟知し、国内外に理解と共感を広げる役割を期待している。「一人でも多くの議員に被災地に入り、現状を目で確かめてほしい」と思いを託す。








県によると、12市町村への2024年度の移住者は822人。ふくしま12市町村移住支援センターを富岡町に開設した2021年度から倍増した。県は新年度にセンターの新拠点を都内に開く方針だ。長期の避難で新天地に根付いた避難者が少なくない中、新たな住民を迎える重要性はますます高まっている。
飯舘村で移住者支援に携わっている移住サポートセンター「3[さん]ど」職員の水上謙さん(51)=郡山市出身=は「新たなコミュニティーづくりに力を貸してほしい」と切望する。
全村避難から村を再生させる上では、移住者の増加が帰還促進と並んで鍵を握る。産業団地の整備や国道399号の一部バイパス化決定、ドラッグストアの開店など施設面での環境整備が進む。一方、移住を検討している人に飯舘の魅力を伝えるツアーや、元の村民との懇親を深めるイベントなどをいかに充実させていくかが課題となっている。
人口減少は全国の地方に共通する課題で、各市町村が移住・定住策に力を入れている。水上さんは「村に関心を寄せる交流人口・関係人口を拡大させる取り組みを後押ししてほしい」と国の協力を求める。