福島のニュース
6日に福島市で行われた第11回ふくしま経済・産業・ものづくり賞(ふくしま産業賞)の表彰式では、受賞企業・団体の女性代表者が取り組みを紹介し合い、業種を超えて誰もが生きやすい社会づくりに向けた連携に意欲を示した。事業の方向性は違っても、福島県の活性化を目指す〝同志〟。若年女性の県外流出など福島県が直面する社会課題に向き合い、県内の産業振興をけん引しようと誓った。
25の受賞企業・団体のうち、福島民報社賞を受けたマザーソリューション=福島市=、銀賞のfukucier(ふくしぇる)=会津若松市=、特別賞の丸又蒲[かま]鉾[ぼこ]製造=いわき市=、次代応援賞に選ばれた東陽電気工事=西郷村=はいずれも女性のトップが時代に合った商品・サービスの提供、働きやすい職場づくりに努めている。
「介護用品をつくりたいとの思いがあり、現場のニーズをぜひ聞きたい」。マザーソリューション社長の斎藤祐子さん(44)は、公的サービスでは解決できない困り事を抱える高齢者らと働き手をつなぐ、ふくしぇるの取り組みに興味を持った。子育ての悩みに着目した商品の開発・生産を担っているが、家族を介護する従業員もいる。参入分野として関心を持ち、ふくしぇる理事長の小林しのぶさん(46)に事業内容などを熱心に尋ねた。
小林さんも「ぜひ一緒に商品開発できたらうれしい」と前向き。同じく組織をまとめる女性陣の思いを知り、「細やかな気配りや視点、働きやすい仕組みづくりなどが勉強になった」とうなずいた。
小学4年生の長女(10)の子育てと仕事を両立する東陽電気工事社長の石川格[のり]子[こ]さん(42)は境遇の近い3人との会話の中で、効率や隙間時間を意識した働き方の話題が印象に残った。福島県では、女性の県外流出の多さが喫緊の課題となっている。石川さんは安心して失敗できる職場環境などを整え、人づくりに力を入れてきた。「流出を防ぐには企業の存在をまず知ってもらわないといけない」と発信力の大切さを痛感していた。
県の労働条件等実態調査によると、県内企業の女性管理職の割合は近年、2割程度にとどまっているのが現状だ。丸又蒲鉾製造社長の高木聡子さん(44)は男性が多い業界で女性の目線で独自色をいかに出せるかを試行錯誤する日々。「女性経営者の活動を知ることができるのは刺激になる」と業界の垣根を越えた意見交換が今後も続くよう望んでいた。■食で地域を元気に
猪苗代高・福島大食農学類
食を通じた地域活性化に取り組んでいる大学生や高校生は互いの経験を共有し、知見を深めた。
猪苗代町の特産品・そばの魅力を発信する猪苗代高蕎麦PR班の小板橋みくるさん(18)=3年=は活動を通して覚えたそば打ち、文化祭で販売したそば粉のスイーツを資料で紹介。テレビ番組に出演し、若者に人気の麻[マー]辣[ラー]湯[タン]を再現し、反響を得た経験を語った。
福島大食農学類NeeeMOプロジェクトの山崎綱紀さん(21)=4年=はその行動力に驚き、「高校生と交流する機会が増えれば、さらに良いアイデアが生まれるかも」と刺激を受けていた。
西郷村産大豆を使ったスイーツを開発し、ブランド「NeeeMO」として発信している。大沢翔世さん(21)=4年=は「自分たちの代で終わらない仕組みづくりが必要」と活動継続の難しさを明かした。小板橋さんも次の代に取り組みを引き継ぐ大切さに共感。「後輩には商品化などを実現し、地域との関係を深めてほしい」と願った。

