福島のニュース
福島県内で今冬、熊の目撃件数が急増している。昨年12月が71件、1月が30件と、いずれも近年の平均を大幅に上回っており、県が統計を取り始めた2013(平成25)年度以降で月別としては過去最多となった。専門家は冬眠方法が身に付いていない子熊などが例年より多くいる可能性を指摘。人里近辺での被害を抑えるため、県は12日、初となるドローンを活用した生息状況の調査を福島市で実施。危険な地域などの把握や県民への冬季の情報発信を強化する。
過去5年間と今年度の12、1両月の熊の目撃件数は【グラフ】の通り。2020(令和2)年度から2024年度までの熊の目撃件数の平均は12月が9・8件、1月が2・4件だった。過去5年と比べても今冬は12月が7・2倍、1月が12・5倍と著しく増加している。民家に潜むなど人の生活圏への侵入も相次ぐ。
熊の生態に詳しい福島大食農学類の望月翔太准教授(野生動物管理学)は冬季の出没要因に(1)人里に餌があると学習した個体(2)母熊が駆除され冬眠方法が身に付いていない子熊―の存在を挙げる。「空腹状態の熊が2月中に冬眠から目覚め、人里に下りてくる可能性もある」とし、自宅や倉庫などの戸締まり徹底を呼びかけている。
県によるドローンを活用した冬眠しない個体などの調査は、出没リスクが高い福島、会津若松、白河、須賀川、喜多方、天栄、会津美里、西郷の8市町村で3月末まで実施する。飛行経路を事前にプログラムしたドローンを飛ばし通常のカメラに加え、熱源を検知する赤外線カメラによって物陰に隠れた個体などを見つける。映像に熊が写っているのを確認し次第、各市町村に連絡し、対策に役立ててもらう。
県は会津大と連携して地上からも熊を捕捉するシステムを導入した。8市町村の山間部に通信機能付きセンサーカメラも設置。撮影した画像は会津大に転送され、人工知能(AI)が熊と判断すれば、近隣住民に詳細な目撃場所がメールで迅速に通知される仕組みだ。■住宅に居座った熊駆除
喜多方市
11日夜に喜多方市高郷町の住宅内で見つかった熊は12日午前8時45分ごろ、箱わなにかかっているのを市職員らが確認した。熊はその後、駆除された。
市などによると、熊は台所で丸まっていたという。居室内であることや日没後だったことから追い払いが難しいと判断し、11日午後9時ごろに市が台所付近に箱わなを設置。捕獲された熊は体長約70センチで痩せ細っており、親熊とはぐれた可能性があるという。

