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ラーメンチェーン大手・幸楽苑(福島県郡山市)の新社長に内定した専務営業本部長の芳賀正彦氏(49)は13日、福島民報社のインタービューに応じた。2028(令和10)年末に郡山市内に完成予定の新工場から近い東北地方への出店に重点を置く考えを示し、全国展開に向けては「東北から関東の既存商圏だけで(目標の)500店舗は出せる」との展望を示した。
―創業者の新井田伝会長兼社長の後継者となる。
「常務だった昨年、『これからはあなたたちの時代。全面的にバックアップするから』と話があった。会長のようなカリスマ性はないが、社員と一丸となってチームワークよく経営したい」
―経営者としての新井田氏をどう見るか。
「創業代表として圧倒的なカリスマ性があり、決断力、経営判断がものすごく早い。経験に裏づけられた勘どころの良さを感じる。会長の座右の銘に『我以外、皆師なり』がある。私も他の社員から学ぶ点が多くある」
―現場を中心に経歴を重ねてきた。
「北は青森県、西は中国・四国までの店舗を担当した。お客さまと直接会話する環境に身を置いた経験を生かす。今も店舗の清掃や駐車場のライン引きをするが、現場に行くと必ず気づきがある。課題を見つけられるよう現場を大事にするスタンスを継続しつつ、店舗と本部の垣根を取り払う役割も担いたい」
―2028年末には郡山市に新工場が完成し、生産能力が増強される。新規出店の展望は。
「東北から関東の既存商圏だけで500店は出店できそうだ。県内でも比較的人口の少ないエリアに出している店もあり、東北地方はまだまだ出店する余地がある。1店舗当たりの平均月商を都道府県別に見ても、青森県が東京都に続き2番目で東北6県が上位を占める。新工場から配送する間接コストを考えても効率が良い」
―かつて西日本に進出したが、運営効率化などのため撤退した。
「失敗した理由はある程度、頭の中にある。500店舗を達成したら次は静岡、長野、山梨から出店を進めたい。現在は静岡県浜松市に店舗があるが、飛び石的に大阪や広島への出店はしない。1店舗当たりの配送コストがかかり、収益性が悪くなる。エリア一つ一つに集中出店するドミナント戦略を取る。500、700、1000という数字に近づきたい」
―全国展開を目指す上で、新工場が重要な役割を果たす。
「価格戦略、業態戦略の肝になる。関東、東北のドミナントを中心に強化し、生産高を高めたい。我が社は製造直販というビジネスで、直営形態を取る。工場があるために今の売価が維持できる。おいしいものを安くできるよう、生産力を高めながら質にこだわる」
―今春、正社員の採用を8年ぶりに再開する。人材育成で重視する点は。
「新店を出す上で当然、人手が必要になる。元々の研修制度を検証した上でリモートを取り入れた。弊社には昇格するための資格試験制度がある。学歴より学力を大事にした教育体系を築く。5年後、10年後に、研修で学んだから今があると思ってもらえるような仕組みをつくる」
―専務自身も交流サイト(SNS)の個人アカウントで、商品の魅力を発信している。より選ばれる店舗になるには何が必要か。
「安さに加え、QSC(品質・サービス・清潔さ)をさらに高める。お客さまに知られてない情報が多いのも課題だ。今の時代、中華そば、チャーハン、餃子のセットが税込み990円で食べられる店は少ない。SNSも活用しながら、幸楽苑の良さを伝えていく」
―幸楽苑の強みとは。
「安さ、おいしさは事業の肝だが、3世代で利用できるのが大きい。最近はチェーン店も含めて専門店化が進んでいるが、幸楽苑は3世代が選べるメニューの幅がある。ある程度の価格が読めるので、お金も気にせず利用できる。常連客以外の層を確保できる商品づくりを進めれば、より満足度の高い幸楽苑になれると思う」

