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世界的名画の展覧会が幕を開ける。20日、福島市の県立美術館で催された「福島県政150周年・東日本大震災15年
大ゴッホ展
夜のカフェテラス」の内覧会で、一足先に鑑賞した出席者は地域の活性化につながり、活力がもたらされることを期待した。苦しみながら豊かな表現を身に付けた情熱の画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~90年)の成長を追体験でき、復興に向け歩む福島の姿と重なる。心の復興、郷土振興に結び付くよう願った。
労働者を重い色調で描いた作品に始まり、南仏アルルで色彩美が昇華した「夜のカフェテラス」まで、ゴッホの57作品を含む全74作品が並ぶ。出席者は画家としての苦悩を経て色をつかみ、世界中の多くの人が知る作風にたどり着く軌跡を間近に見た。
「絵の具の立体感、筆遣いに触れることができた」。福島市の会社社長成茂彩生さん(46)は目を見張った。ゴッホの作品群は人を引き付け、足を運んだ人が福島の誇る果物や美酒、温泉の魅力に触れてもらう契機にもなると考える。「福島のファンになって、何度も訪れてほしい」と望んだ。
展覧会は震災と東京電力福島第1原発事故から再生する姿を国内外に伝える狙いがある。ゴッホの作品を模写する絵画コンクールで受賞し、開会式でテープカットした安積黎明高の高橋愛和[まな]さん(1年)=郡山市=は「郡山や浜通りにも足を運び、魅力が伝わったらうれしい」とした。県内の今を発信する一助になるだろうと推し量った。
名画は心に潤いをもたらし、明日への活力を与えてくれる。市内から内覧会に参加した主婦舟木絹世さん(63)は「県内外から訪れる人にゴッホ展の印象だけではなく、福島で過ごしたいい思い出を持ち帰って多くの人に話してほしい」と笑顔を見せた。■命のぬくもりを一人一人に
綾瀬はるかさんがビデオメッセージ
大ゴッホ展の音声ガイドのナビゲーターを務める俳優の綾瀬はるかさんがビデオメッセージを寄せた。震災から15年の節目に開催されることを踏まえ、ゴッホが描いた光と色彩、命のぬくもりを来場者一人一人の心に届けたいとし「作品の光が優しく寄り添い、心を癒やし、笑顔が咲くことを願っている」と語った。■「芸術には癒やす力」
駐日オランダ大使
県立美術館で開会式
県立美術館で20日に行われた大ゴッホ展の開会式では、実行委員会関係者が美を通して魂を探究したゴッホの名作公開を祝った。
内堀雅雄知事が福島の現在地を伝える意義を強調した。ヒルス
ベスホー・プルッフ駐日オランダ大使が「芸術には心を癒やす力がある」とあいさつした。
ゴッホの作品を貸し出しているオランダのクレラー=ミュラー美術館のベンノ・テンペル館長による記念講演もあり「(見た人が)感動と癒やしを得られると確信している」と語った。県立美術館の浜田洋亮学芸員が見どころを解説した。
テープカットを行い、安積黎明高の高橋愛和さん(1年)に加え、郡山二中の壁巣実緒さん(2年)、郡山ザベリオ学園小の佐藤千桜[ちさ]さん(6年)、内堀知事をはじめとした主催者らがはさみを入れた。
出席した実行委員会のメンバーは次の通り。
▽名誉顧問=内堀雅雄(知事)▽委員長=鈴木竜次(県教育長)▽副委員長=高橋英子(県立美術館長)竹之下誠一(福島医大理事長)馬場雄基(福島市長)芳見弘一(福島民報社社長)塩塚圭輔(NHK福島放送局長)橋本泉(福島テレビ社長)尾崎和典(福島中央テレビ社長)古川伝(福島放送社長)仲尾雅至(テレビユー福島社長)横山貴一(ラジオ福島社長)平一彦(エフエム福島社長)大ゴッホ展 福島展

