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2025(令和7)年に生まれた県内の子どもの数(出生数)は南相馬と会津坂下、鏡石、大玉など19市町村で前年を上回った。市町村の担当者は移住施策や保育料無償化など独自の子育て支援が功を奏して若い世帯の定着につながり、妊娠・出産に意欲的になる好循環が生じているとみている。一方、県内全体の出生数は7921人で、前年から416人減少したが、減少率は近年と比べて縮小した。福島民報社が県の月ごとのデータを基に算出した。
■施策浸透で妊娠・出産好循環
市町村別の出生数は【表】の通り。2024年から最も増加したのは南相馬市の21人だった。会津坂下町17人、本宮市13人、鏡石町と大玉村で各10人と続いた。都市部周辺に位置し、高速道路や鉄道などの接続に優位性のある地域が多い傾向があった。
二本松、国見、玉川、三春、西郷、喜多方、磐梯、湯川、三島、檜枝岐、只見、広野、双葉、飯舘の14市町村は増加数が1桁台となった。
南相馬市は出会い・結婚から妊娠・出産・子育てまでの各場面ごとの支援対策を整備し、2022年度から本格展開している。育休取得促進奨励金や保育料無償化を実施し、子育てしやすい環境を目指している。一般不妊治療費の助成、第3子以降の出生時や入学時の支援金など多子家庭の応援にも力を入れている。
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に伴い回復基調にあった出生数が、2018(平成30)年ごろから減少と微増を繰り返すようになった。危機感が手厚い支援につながったという。「人生の節目節目で切れ目のない支援を講じていく」(こども家庭課)としている。
10人増の鏡石町はJR鏡石駅前に住宅地を造成し、若者の移住定住に結び付けた。町内中心部を国道4号が通り、郡山、須賀川の両市に通勤や通学しやすい。さらに東北道のスマートインターチェンジが住宅地付近にある。町は立地条件の良さをアピールしながら、子育て支援を充実させる方針だ。
一方、県内の出生数の前年比減少率は2025年、約5%となった。2022年以降、8%前後で推移しており、3ポイントほど縮小した。

