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福島県内の民俗芸能研究の第一人者で、NPO民俗芸能を継承するふくしまの会理事長の懸田弘訓さんは23日、同県郡山市のビッグパレットふくしまで講演し、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から15年となるのを前に、民俗芸能が地域コミュニティーの維持に果たす役割を訴えた。
県と同NPOの主催。県の民俗芸能復興サポート事業の研修・報告会として開いた。県内各地の民俗芸能保存会や市町村の関係者ら約70人が出席した。
懸田さんは震災と原発事故で県内の沿岸部を中心に約60の集落が壊滅的な被害受け、いずれの地域にも郷土色豊かな民俗芸能が息づいていたと説明。津波被害が顕著だった相馬市磯部地区では避難した人たちが集う機会を取り戻すため、住民がいち早く祭りや神楽を復活させた経緯を紹介した。
民俗芸能の役割は五穀豊穣などを祈る信仰との結び付きが強かったが、現在は地域を維持するため住民が集うきっかけになっていると指摘。「民俗芸能には住民の絆を結び、集落をつなぐ力がある。もう一度、民俗芸能を見直してほしい」と意義を強調した。
懸田さんと文化庁の吉田純子主任文化財調査官、NPOの国分球子事務局長が登壇し、トークセッションを繰り広げた。浪江町の南津島郷土芸術保存会での継承の取り組みなどを通し、民俗芸能を地域全体で守り、文化をつなぐ考え方について語り合った。

