【震災・原発事故15年 復興を問う】大島理森氏 風化防止、政治の力で 原発再稼働は復興が前提

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【震災・原発事故15年 復興を問う】大島理森氏 風化防止、政治の力で 原発再稼働は復興が前提

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自民党の東日本大震災復興加速化本部長を務めた元衆院議長の大島理森氏は福島民報社のインタビューに答えた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の風化防止への対応について、政治の力が試されていると強調した。国内原発が再稼働する中、原発を推進するエネルギー政策を進める前提として、過酷事故に遭った福島県の復興を成し遂げる必要性を訴えた。
〈震災からの復興の司令塔を担う復興庁は、設置期限が2031(令和13)年3月末までとされている。残りは5年しかない〉
政府は原子力を使い続ける決定をした。福島で起きた原発事故を国全体の課題として解決に取り組まなければならない。福島の行方は日本のエネルギー政策の根幹に関わる。政府はそのことを踏まえながら、福島の復興について検討すべきだ。
〈自民党の政権復帰後、復興加速化本部長を2012(平成24)年12月から約2年4カ月間務め、計4回、復興施策を政府に提言した。初期の復興に携わった立場からは現在の福島県の状況はどう見えるのだろう〉
(復興加速化本部長時代は)次々見えてきた課題を現場から吸い上げ、優先順位を整理して政府に対策や施策を提言するよう心がけた。今も福島には廃炉などの大きな問題が横たわり、課題は刻々と変化しているはずだ。だからこそ、何が起こっているのかをしっかりと把握し、対応策を考えなければならない。われわれの予想を上回る災害は、これからも起こるだろう。今あるリスクにどう対処するのか。今後の防災に生かせるだろう。
〈2024年、政府の行政事業レビューで福島再生加速化交付金の見直しや検証を求める意見が出た。中央で風化が進んでいるのではないかと県民は懸念している〉
区切りをつけてはならないものがある。中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)が立地し、廃炉作業が進む福島の問題は絶対に風化させてはならない。世論が無関心にならないよう、現状や課題を発信し続けるべきだろう。政治の力が試されている。福島だけの問題にしないよう、福島県選出の国会議員らが党を超えて声を上げていってほしい。
〈中間貯蔵施設に一時保管されている除染土壌は、2045年3月までに県外で最終処分すると法律で定められている。しかし理解の醸成は進んでいない〉
除染土壌の最終処分に限らず、廃炉やデブリの取り出しなど難しい問題を乗り越えなければならない。中間貯蔵施設の設置に向け、現地の首長の方々と話し合いに臨んだ。現地の苦悩に報いるためにも、地域を活性化するのに使える交付金創設を提案した。当時は福島の各地に、除染土壌が詰まった袋が山積みになっていた。故郷の景観をきれいにすれば、被災者の方々に生きる希望を持ってもらえると考え、粘り強く政府や財務省と議論を続けた。こうした姿勢が今後も大切になるだろう。
青森県出身。慶応大法学部卒。1983(昭和58)年の衆院選で政界入りし、当選12回。文部相(当時)、農林水産相、環境庁長官(当時)を歴任した。衆院議長を2015(平成27)年4月から6年6カ月務めた。2021(令和3)年に政界を引退した。79歳。