【震災・原発事故15年 復興を問う】高市早苗首相 「責任持って取り組む」 地元と協議道筋付ける

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【震災・原発事故15年 復興を問う】高市早苗首相 「責任持って取り組む」 地元と協議道筋付ける

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東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から15年となるのを前に福島民報社などの合同インタビューに答えた高市早苗首相は、原発事故に伴う帰還困難区域に残された帰還意向のない住民の土地・家屋などの取り扱いに道筋を付けるため地元と協議を重ねていく考えを示した。(聞き手・編集局長
角田守良)■帰還困難区域に「戻らぬ」住民の土地・家屋など大きな課題
―福島第1原発の廃炉を巡っては溶融核燃料(デブリ)の本格的な取り出し時期が遅れるなど、政府と東電が掲げる2051年までの完了目標を危ぶむ声が出ている。目標を見直す考えはあるか。
「15年間で廃炉に向けた取り組みは一歩ずつ確実に前進したと考えている。2051年までの廃止措置を完了させるべく、安全確保を最優先に地元の理解も得ながら取り組むよう東電を指導するとともに、国も前面に立って最後まで責任を持って取り組む」
―復興庁は2030(令和12)年度末で設置期限を迎える。設置期限の延長や防災庁への機能統合が選択肢になり得るがどのように考えるか。
「新たに設置する防災庁は事前防災、発災時から復旧・復興までの一貫した災害対応の司令塔となる組織だ。復興庁と防災庁の両者で協力できる部分は協力しながらそれぞれの政策課題に取り組む。防災庁設置に当たっては復興庁がこれまで積み重ねてきた知見を最大限活用したい。設置期限以降の復興庁の在り方については、復興の状況を見ながら適切に判断することになるが、福島県の復興に向けた取り組みや、復興庁が果たしている役割自体はいささかも損なわれないようにしっかりと対応する」
―高市首相の掲げる強い経済の実現を復興分野にどう結び付けていくのか。
「生活やなりわいの再建に加え、福島イノベーション・コースト構想を柱として産業集積を進めていく。持続的な『地域の稼ぎ』の創出に向け、地元企業を含めた面的なサプライチェーン(供給網)の構築も進め、浜通り地域などで強い経済をさらに実感してもらえるよう取り組む」
―浜通りの再生には帰還困難区域全域の解除が不可欠だが、地元は具体的な道筋を示すよう求めている。
「政府としては将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除したいと考えている。昨年12月に帰還困難区域で住居や荒廃した農地も視察した。すぐに除染や営農再開に向けた地元の要望に丁寧に対応するよう指示し、一部が改善された。帰還困難区域に残っている帰還意向が示されない土地・家屋などの取り扱いが大きな課題で、その解決の道筋を付けていくことが大事だ。地元とも協議を重ねて全面解除に向けて責任を持って取り組む」
―国のエネルギー基本計画は「原子力の最大限活用」との方針だが、原発事故の教訓を生かすのか。
「福島第1原発の経験、反省、教訓をひとときも忘れることなく取り組むのはエネルギー政策の原点だ。原子力規制委が新規制基準に適合すると認めない限り、再稼働は認められないのが政府の一貫した方針だ。安全性が確認された原発の再稼働を進めるとともに今、力を入れているのはより安全性の高い次世代革新炉の早期の社会実装への取り組みだ」
―次世代加速器の国際リニアコライダー(ILC)の国内誘致は東北が候補地となって10年以上がたつが動きは止まったままだ。
「巨額の経費を要する国際プロジェクトで、国際的な費用分担や必要な技術の確立などさまざまな課題の解決、国内外の幅広い理解と協力が必要だ。まずは国内外の研究者間での議論が必要と考える。政府としては先端的な加速器技術の開発を着実に進めるため支援していく」