廃炉作業見通し具体化を 課題精査し政府に提言へ NDF更田総括監にインタビュー

  • [エリア]

福島のニュース


原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)の更田豊志廃炉総括監は福島民報社のインタビューに答え、東京電力福島第1原発の廃炉の実現に向け、技術的な課題、必要な資金や人員など総合的な状況を踏まえた廃炉作業内容の具体化を政府に提言する考えを示した。15年の作業で明らかになった課題や現状などを1、2年ほどかけて精査・把握する考えも強調。実現可能な作業などを具体化させることによる作業員の安全の確保や企業の参入などの利点も挙げた。
福島第1原発の廃炉を巡って、更田氏は放射性廃棄物の発生量や今後の管理の在り方の不透明さ、作業を阻む極めて高い放射線量と人員確保の問題など山積する課題を挙げた。溶融核燃料(デブリ)取り出しについても3号機からの本格的採取を2037年度以降に始める計画だが、原子炉建屋の周囲にある設備の解体撤去など「容易ではない作業」(更田氏)も次々と判明している。
更田氏は2051年までの廃炉完了目標を維持している現在の工程表(ロードマップ)を「政治的目標であり社会的な約束」と前置きした上で現状の課題を「行き先は決まっていないが、到着する時間は決まっている状態」と表現。実際に工程表は第3期に入っているが、今後の廃炉作業の内容が具体性に乏しい課題もある中、デブリの性状など得られた知見に基づく今後の作業内容、放射性廃棄物の発生量の見通し、必要となる人員など総合的な情報を精査する必要性を強調。工程表とは別に国、東電が現状に即した具体的な道筋を改めて示す必要があるとの認識を示した。
具体化の利点として関連企業の参入促進も挙げ、直近10年間の廃炉作業量を見通す重要性も指摘した。明確にした内容についても「少なくとも5年置きに見直すなど、不断の見直しができる状況や体質に変えていかないといけない」とし、現状に合わせて柔軟に進めるべきと提言した。全国で廃炉への関心を高めるだけでなく、今後の作業の参考となる意見を聞くため、県内中心だった対話集会を東京都内でも開く計画も説明した。
NDFは2011年9月に設立された。原子力損害賠償・廃炉等支援機構法に基づき、廃炉を進めるために必要な技術開発や研究などを政府などに提言できる立場となっており、具体化に向けた国、東電の今後の動向が注目される。