福島のニュース
政府は、次期観光立国推進基本計画に東京電力福島第1原発の廃炉現場や被災地の視察などを通した国内外との交流拡大を初めて明記し、新年度から取り組みを本格展開する方針を固めた。東日本大震災と原発事故の発生から15年となる福島県で、訪れた人により深く復興の現状に理解を深めてもらう環境を整える。訪日客(インバウンド)も含め、住民との対話などの機会も設け、根強い風評や記憶と教訓の風化の課題の解決を目指す。
観光立国推進基本計画は観光振興の取り組みに加え、国内外との交流拡大を通した各地域の課題解決の施策なども定めている。
福島県被災地については「国内外から幅広く受け入れることが可能」と明記。取り組みとして、第1原発や震災遺構、伝承施設など被害の大きさや復興の現状について理解を深められる場所の視察に加え、地域住民との座談会など対話の機会を組み込んだ企画や受け入れ環境の整備への一層の支援を想定している。国内外からの参加者には、被災地の魅力だけでなく、廃炉の重要性や復興の課題、放射線に関する正しい情報なども伝える。
防災に関心を持つ層などを含めた関係・交流人口拡大も目指す。新たな試みとして国土交通省と内閣府の「NIPPON防災資産」に認定された地元施設や伝承活動を活用した誘客の充実なども計画に明記する。福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想に参画する人や企業に関わる取り組みなども新たな軸とする方針だ。
政府は関係省庁や地元自治体と連携も強化し、風評や風化の対策につなげる。新たな観光立国推進基本計画は今月中にも閣議決定される見通しで新年度から取り組みを本格化させる。
県も新年度、復興の現状や教訓を学ぶ「ホープツーリズム」に新たな要素として、地域住民との交流や伝統文化に触れる体験を組み込む。これまでより深い内容で被災地を知ってもらい、観光を含めた復興の加速につなげる考えだ。

