復興の年月、ピアノに重ね発信 故・坂本龍一さん使用 屋外設置で経年変化を観察 福島県広野町

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復興の年月、ピアノに重ね発信 故・坂本龍一さん使用 屋外設置で経年変化を観察 福島県広野町

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世界的音楽家の故坂本龍一さんのピアノを屋外に設置し、自然環境下で経年変化する過程を公開するプロジェクト「ピアノを自然に還す実験―2」が11日、福島県広野町文化交流施設「ひろの未来館」で始まった。自由に見学できる。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興にかかる長い年月を、ピアノの経年変化に重ねて発信する。
坂本さんは生前、現代アートの概念の一つ「社会彫刻」を実践。ニューヨークの自宅庭にピアノを置いて風雨にさらし、自然に戻る過程を観察した。今回は坂本さんの遺志を継ぎ、生前最後のアルバム「12」の制作に使ったピアノ(1960年代スタインウェイ&サンズ)を設置し、一般に公開する。
町の芸術活動支援に取り組んできたアートディレクター山崎晴太郎さんのデザイン事務所「セイタロウデザイン」(東京都)などが手がける。広野の自然の中で唯一無二の調律を獲得しながら消えゆく姿に新たな美を見いだす試みという。
記念セレモニーで山崎さんは「福島の復興や自然と文明の関係性を考え、世界に発信するために震災後の厚い時間を過ごしてきた広野で取り組みたかった。見て触れて末永く見守ってほしい」と話した。小松和真町長は「モノが自然に戻る姿に命の大切さを感じる機会としたい」と述べた。
今後は町や学生とのイベントを展開する予定。ピアノの様子はユーチューブで24時間公開している。QRコードからつながる特設サイトで確認できる。