ガソリン急騰「ここまでとは」 中東情勢影響 1日で30円も 福島県民、早期安定化願う

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ガソリン急騰「ここまでとは」 中東情勢影響 1日で30円も 福島県民、早期安定化願う

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中東情勢の不安定化が福島県民の生活に影響を及ぼし始めている。県内の多くのガソリンスタンド(GS)で12日、ガソリン価格が大幅に上昇した。1リットル当たり30円近く値上げした店も。政府が備蓄石油の放出や補助の再開でレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格を170円程度に抑える方針を表明したが、原油価格がどの程度高騰し、いつまで続くか見通せない。県民やGS、運輸関係者は危機感を募らせ、早期の安定化を願う。
「ここまで高くなるとは…」。福島市渡利のライトスタッフ花見山SSを訪れた福島市の介護支援専門員斎藤真尚さん(53)は驚きを持って価格表示板を見つめた。同店は12日にレギュラーガソリンを1リットル当たり29円引き上げた。
斎藤さんはこの日、事業所の車への給油で訪れた。趣味で週1度、往復100キロのドライブを楽しむ。中東情勢に関するニュースを気にかけているが、現段階で状況が好転する兆しは見えない。政府の補助財源も青天井とはいかないと考える。「混迷が長期化すれば、さらに上昇するのでは」と不安を口にした。
この店では11日、約330台が給油したが、12日は午後5時30分時点で約110台にとどまった。店長の広野敬也さん(35)は「給油ついでのタイヤ交換など売り上げが多い時期。他の仕事も減りかねない」と懸念する。
棚倉町の給油所・高田油店では12日、レギュラーガソリン1リットル当たりの価格が前日から24円上がり、193円に。長く付き合いのある会社との契約が9割のため、なるべく価格を抑えたい。従業員の高田雅士さん(30)は「世界情勢が安定し価格が下がることを願うばかり」と話す。
石川町で観光ツアーや町のスクールバス運行を手がける野本観光バスの野本和義社長は「1、2カ月先の予定を見積もっている。後から旅費は上げられない」と頭を抱える。大型バスなど約30台を所有し、1台を満タンにするのに軽油約450リットル必要。20円の値上がりなら1台当たり9千円のコスト増になる。「お客さまが離れないよう当面は価格転嫁を見送る」との経営方針を示した。■混乱長引けば不安続く
県石油商組
物価と電気代に影響も
とうほう総研
県石油商業組合の小林勝副理事長兼参事は、16日の石油備蓄の1カ月半分の放出と、19日出荷分からの補助に期待するが、中東の混乱が長引けば不安感は続くとみる。「事業者の現状を消費者に伝え、誠実な経営を呼びかける他ない」と嘆く。
民間シンクタンク・とうほう地域総合研究所のエコノミスト木村正昭さん(57)は、物価と電気代に影響が及ぶ可能性を指摘する。プラスチック製品を製造する石油や火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)の価格にも影響が大きいためだ。1月の実質賃金が13カ月ぶりにプラスに転じた中で物価上昇が進めば、消費意欲に水を差すとみる。「冬の電気・ガス代の補助が3月に終わるが、福島はまだ寒い。間が悪い」と捉えている。■価格、適切反映を
県石油組合がいわき市に要望
原油価格の高騰を受け、県石油業協同組合は12日、いわき市に緊急要望した。公用車のガソリン代など市との石油製品契約価格に市場価格を適切に反映することなどを求めた。
同組合は県内の各市町村に同様の要望を行っているという。