恒例の卒業祝い、3.11と重なり… 給食の赤飯2100食廃棄 福島県いわき市内の5中学校

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福島県いわき市内の五つの中学校で11日、卒業を祝う給食として用意した赤飯の提供が東日本大震災の発生日と重なったことを理由に取りやめとなった。調理・配送済みの約2100食が市教委の判断で廃棄され、生徒は備蓄品のパンなどを代わりに食べたという。
5校の給食は同じ共同調理場を利用している。市教委によると、対象の学校に11日朝、震災発生日に赤飯を出すことを疑問視する電話があった。市教委は午前11時ごろに学校から報告を受け、各校に赤飯の提供を控えるよう指示した。
市教委の担当者は「震災では市内に甚大な被害が出た。同日に市の追悼式もあり、お祝いのイメージがある赤飯の提供は不適切だと考えた」と説明している。生徒は赤飯に代わり、災害用に備蓄していたパンやご飯を食べた。衛生面を考慮し、持ち帰りなどの対応も取らなかったという。
赤飯は例年、3年生が卒業前に味わう最後の米飯給食でメニューの一つとされてきた。今年は提供日が3月11日と重なった。3月分の献立は2月中に生徒や保護者に伝えていたが、市教委は報告を受けるまで赤飯の提供日を把握していなかった。
娘が3年生という40代女性は「赤飯が急になくなり、冷えたご飯やパンが出されて残念がっていた。卒業に水を差された思いだろう」と娘の心境を思いやった。孫から事情を聞いたという70代男性は「3月11日に(赤飯を)出すことになった経緯を説明してほしい」と求めた。
内田広之市長は「何らかの対応を取るにしても、約2100食分の廃棄はもったいないと感じる。市長部局と教育委員会の相談体制がさらに密接になるように配慮する」などとしている。