福島のニュース
世界的な画家フィンセント・ファン・ゴッホの画業の後半に焦点を当てる第2期の大ゴッホ展(来年6月19日~9月26日、福島市・県立美術館)を前にした県の記念講演会は3日、会津若松市の会津大で開かれた。福島大の渡辺晃一人間発達文化学類教授が「ゴッホと福島~美術と芸術~」をテーマに登壇。革新的な色彩理論や本県との精神的なつながりについて紹介した。補色の対比が生む効果渡辺教授はゴッホを読み解く鍵として「色彩」を挙げた。特に、紫と黄色、青とオレンジなど、対照的な色を組み合わせる「補色」の効果を強調。代表作の「夜のカフェテラス」を例に、「夜空をあえて黒を使わず、紫に近い青を用いることで、カフェテラスの鮮やかなオレンジに近い黄色をより際立たせている」と解説し、見る人の視覚に訴えかける技法を分析した。没後の評価、理由は愛生前に1点しか作品が売れなかったゴッホ。没後に高く評価された背景についても言及した。苦悩に満ちた劇的な生涯や逸話、革新的な画風が多くの人の心を動かしたことに加え、彼を守ってきた家族らの存在を強調。「時代背景に裏打ちされた革新性とともに、多くの人に愛されたことが不変の評価につながっている」と語った。ゴッホと福島本県との関わりについて、福島市の県庁南側を流れる阿武隈川の夜景が名作「ローヌ川の星月夜」をほうふつとさせると写真で提示。いわき市出身の詩人草野心平が詠んだ詩「わだばゴッホになる」や、詩人宮沢賢治による評価など日本の文化人との接点を紹介した。「ゴッホが向き合った自然や目にした風景を福島の文化に重ね、その精神に思いをはせてほしい」と願いを語った。◇◇講演会は、来夏の展覧会への機運を高めるため、県内各地で専門家が講演しており、この日が第2弾。県内外から約200人が来場し、開催への期待を膨らませていた。

