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第98回選抜高校野球大会(19日開幕、甲子園球場)に郡山市の中学生硬式クラブ、南東北ヤングベースボールクラブのOB4人が八戸学院光星(青森)、東北(宮城)、日本文理(新潟)から挑む。藤宮健二監督(50)の下で力を蓄え、飛躍を目指した県外の強豪で聖地の切符をつかんだ。「後輩の憧れになりたい」「古里を元気づける」と恩返しの活躍を誓っている。東北(宮城)主将・外野手松本叶大(17)=3年、船引中出身=中学で磨いた力が下地日本文理(新潟)内野手市川大成(16)=2年、蓬萊中出身=長所生かした技術学ぶ選抜の出場校でメンバー入りする4人は17期生1人と18期生3人だ。高校野球での成功を見据えた育成を掲げる南東北ヤングで、投球や打撃、守備、基礎体力といった「分野別・完全分業制」の指導を受け、技術を磨いた。「超攻撃野球」で精神面も鍛えた。17期生で東北の主将を務める外野手松本叶大[かなた](17)=3年、船引中出身=は中学時代に磨いた野球勘や向上心を柱とする。走塁が強みの名門打線で1番を担い、昨秋の東北大会は全3試合で打率5割を記録。練習態度や生活面、選手間の意思疎通を重視する姿勢を買われ、大所帯をまとめる。「今の自分の下地には中学時代の練習がある。出塁して後輩の憧れになりたい」と闘志を燃やす。1期後輩で日本文理の内野手市川大成(16)=2年、蓬萊中出身=も初の甲子園に気合十分だ。南東北ヤングでは器用さを生かす攻撃や守備の技術を学んだ。「最高の形で感謝を伝える。誰よりも元気に笑顔でプレーする」と発奮している。川内村出身の藤宮監督は双葉高で甲子園を目指した。2013(平成25)年から学童軟式の富田エンゼルス(郡山市)のコーチを務め、監督を担った2018年に全日本大会で8強。団員に「中学でも一緒にやりたい」と乞われ、所属先を探していた際に南東北ヤングを託された。ただ、当時のチームは危機に直面。指導者仲間2人と選手8人から再出発した。4人の在籍中にヤングリーグ選手権大会16強などの戦績を残した。就任8年目で初めて教え子が甲子園に出る指導者は「皆が戦う姿を見るのが楽しみ」と開幕を待ちわびている。互いに支えてきた相棒捕手鈴木悠斗(16)投手秋元尊(16)=ともに2年、船引中出身=八戸学院光星(青森)18期生の捕手鈴木悠斗(16)と投手秋元尊(16)=ともに2年、船引中出身=は南東北ヤングからそろって八戸学院光星に進んだ。鈴木は親の事情で県外から田村市に移り住み、小学4年で船引スポ少に入団。川内村出身で、幼少期に東京電力福島第1原発事故に伴う県外避難を経験した秋元と出会った。鈴木は「すごく野球が上手」、秋元は「運動神経が良かった」と翌年にバッテリーを組む相棒の第一印象を語る。先輩を追って進んだ南東北ヤングでは充実した環境をフルに生かした。鈴木は指導陣の助言で素振りや走り込み、食事量を増やして体づくりにまい進。打力や盗塁阻止力を支える肩をつくった。秋元は投手コーチを担う父からバランス感覚を教わり、ボールの回転数を意識する投球術を習得した。中学2年秋、活躍ぶりを見込んだ高校関係者から誘われた。鈴木は打撃重視の伝統に引かれた。秋元は遠方での寮生活に不安を覚えたが、「甲子園を目指そう」と説く戦友に背中を押された。互いの存在を励みに猛練習に耐えてきた。鈴木は東北大会全4試合でマスクをかぶり、準々決勝で二塁打を放った。1年春からベンチに入る秋元は花巻東(岩手)との決勝に2番手として登板した。鈴木は「大勢の人に元気を与えたい」、秋元は「東北の全チームの気持ちを背負って戦う」と意気込む。

