個性豊かな店、集客の柱 長野県上田市の柳町地区 道幅の狭さが課題【七日町通りまちなみ協議会視察】

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戦国武将・真田氏が築いた上田城で知られる長野県上田市。JR上田駅から1・5キロほどの場所にある柳町地区は、江戸時代に旧北国街道の宿場町として栄えた面影が残る。1992(平成4)年、地元自治会を中心に柳町まちづくり協議会が発足した。風情ある街並みの衰退が課題となる中、魅力的な観光エリアとして再生させようと行政と協働で景観整備に取り組んだ。電柱を片寄せし、引き込み線を地中化。石畳の舗装、市の助成を活用した歴史的建造物の修理や建物の修景、水路の設置を進めた。約250メートルの通りには現在、蔵などを改修した商店や飲食店が並ぶ。長野大の調査で、個性豊かな店舗を目当てに客が訪れることが分かった。その代表的な存在が老舗の岡崎酒造だ。福島県酒造組合特別顧問の鈴木賢二さんに指導を仰ぎ、劇的に酒質が向上。廃業寸前の状態から、この10年で全国屈指の人気酒蔵に生まれ変わった。酒の限定販売時には長蛇の列ができる。岡崎謙一社長は「そこでしか買えないものが、人を呼び込び、まちづくりにつながる」と熱く語った。一方、大勢の観光客が訪れる上田城からの周遊客を十分に呼び込めていないのも現状だ。関係者は一層の知名度向上と情報発信が欠かせないとみている。城下町特有の道幅の狭さも課題となっている。車両が走ると、歩行者は道路の端に寄らざるを得ない。岡崎酒造は通りへの車両進入を減らすため、通り外縁に土地を取得し、誰でも使える有料駐車場を整備した。市などは期間限定で交通規制社会実験を実施。今年度は地元住民以外の車両の進入制限を呼びかけたところ、通常は1日当たり230台ほどの交通量が半減した。「お願いベース」(担当者)のためゼロにはならないものの、一定の効果が見られた。市の担当者らは「こうした誘導を日常化できるかが鍵になる」とした。視察では長野大の学生ガイドが着物姿で一行を案内した。七日町通りまちなみ協議会の会員は「会津でも参考にしたい」と関心を示した。福島県会津若松市の七日町通りまちなみ協議会の渋川恵男会長は、官民協働のまちづくり、岡崎社長のようなコーディネーター役の重要性に触れた上で「景観に加え、店舗の魅力があってこそ人々が足を運ぶ。地方でも訪日客の誘致合戦は激しくなる。七日町としても店舗の魅力をより高め、地域資源を磨いていきたい」と語った。(会津若松支社報道部長・鈴木信弘)【写真】魅力ある店舗が並ぶ柳町地区。着物姿の学生(手前)が案内する