震災・原発事故15年 楢葉といえばユズでしょ! 新年度から産地化本腰 3年で苗木3000本を植栽 将来収量大幅増 ブランド力高め誘客を

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「ゆずの里」づくりを進めている楢葉町は新年度、東日本有数のユズの産地化を目指した取り組みに着手する。3年計画で町有地4・2ヘクタールに3千本の苗木を植栽する。2030(令和12)年度ごろに本格的な収穫を始める見込み。収穫した果実や加工品の販路を国内外に拡大してブランド力を高めるとともに、樹園地を観光資源としても活用し、地域の活性化や移住・定住の増加につなげる考えだ。町はこれまで、栽培を希望する住民に苗木を配布するなどしてユズを活用した地域振興に取り組んできた。今年3月に東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から15年となり、9月には町制施行70周年を迎えるのを機に、地域の活力創出に向けた新たなチャレンジとして町による一大産地化を進める。新年度は町西部の女平地区の町有地1・5ヘクタールに千本の苗木を植える。次年度以降、さらに同地区内の町有地2・7ヘクタールに2千本を植栽する。樹園地での将来的な果実の収穫量は今年度の町内産の15倍となる90トンを見込んでいる。樹園地の維持管理は当面、町と町振興公社が手がけ、ボランティアなどによる体制づくりも目指す。全国の大学生らのインターンシップや観光客の誘致にも取り組み、交流人口の拡大や移住・定住者の増加につなげたい考えだ。果実の品質向上に向け、外部の専門家を招く予定。収穫した果実を活用してポン酢やドレッシングなどの加工品の生産量を増やすとともに、皮や果汁を食品や化粧品などの加工業者に売り込むことを検討している。国内の販路拡大に加え、アジア圏をはじめ海外への展開も視野に入れている。国内のユズの生産は四国や九州地方が多くを占めているが、「楢葉産」の流通量を増やすことで産地としての認知度を高め、町民の生産意欲の向上も促す。松本幸英町長は「町による産地化を進め、ブランド力を高めて全国にアピールしたい。地域に活気をもたらす」と決意を示した。町は1986(昭和61)年からユズの試験栽培に取り組み、翌年には町内全戸に苗木を配布するなど、「ゆずの里」づくりに取り組んできた。原発事故により生産者は減少したものの、2024年7月に有志が生産振興組合を設立するなど町民によるユズ栽培の振興に向けた動きも出ている。現在は町内産の果実を町振興公社が買い取り、加工品の製造に活用している。今年度は約80人から約6トンを購入した。