【震災・原発事故15年】電力やガス100%水素で賄います 福島県浪江町に世界初のホテル 未来の暮らし体感して 「伊達重機」開業

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【震災・原発事故15年】電力やガス100%水素で賄います 福島県浪江町に世界初のホテル 未来の暮らし体感して 「伊達重機」開業

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電力やガスなどの消費エネルギーを全て、水素を使って賄う「浪江水素ホテル」が25日、浪江町に開業した。同町のクレーンリース業「伊達重機」が運営し、燃料電池や給湯器、グリルなどの関連設備を備える。同社によると、エネルギー全量を水素で賄うホテルは世界初という。町内の水素製造拠点で製造された再エネ由来の「グリーン水素」を使用する。前司昭博社長は「水素を使う暮らしを体感してもらい、水素エネルギーの地産地消を進める一助になりたい」と意気込む。ホテルは同社が運営する町内川添の浪江水素ステーションに隣接する。延べ床面積100平方メートルの木造平屋を1日1組に宿として貸し出す。町内棚塩の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で製造され、水素ステーションに運ばれてきた水素をホテル内の水素関連設備に供給する仕組みだ。室内の照明や空調などには燃料電池を活用する。水素を燃焼させて浴槽の湯を給湯器で沸かし、グリルではバーベキューも楽しめる。浪江町は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に向け、「なみえ水素タウン構想」を掲げており、町内では水素の利活用に向けた幅広い実証事業が行われている。伊達重機は浪江水素ステーション事業の他、水素で走行する燃料電池車(FCV)のレンタカー事業を展開。水素を用いた燃料電池(FC)トラックを導入するなど水素社会の実現に携わってきた。ただ、同社には「水素車がなければ水素を身近に感じられない」との声も寄せられていた。二酸化炭素(CO2)を排出せず、環境に優しい水素エネルギーを広める方法はないか―。思案を重ねた末に「水素がある暮らし」を体験できる場があれば、水素の地産地消や普及に役立つと考え、ホテル構想を温め、昨年10月から工事を進めてきた。25日は現地で開所式を行い、水素関連事業者や町関係者ら約30人が臨んだ。前司社長らがテープカットして次世代型宿泊施設の誕生を祝った。吉田栄光町長ら出席者が室内を内覧した。前司社長は「水素を日常のさまざまな場面で役立てていけば、活用の幅はさらに広がる」と事業の狙いを強調。「浪江で水素社会を実現し、日本の誇れる技術として世界に発信する。未来を担う子どもたちに持続可能な地域を残したい」と将来を展望した。◇◇ホテルの所在地は浪江町川添字上加倉68。宿泊は定員2人で、料金は9万7千円(税込み)。夕食のバーベキューを含む2食と飲み物(アルコールあり)が付く。バーベキューや会議などの日帰り利用は1組(定員約20人)7万5千円(税込み)。飲食物付きは1人1万2千円(税込み)が加算される。予約は伊達重機が運営するホテルなみえへ。