福島のニュース
県森林組合連合会は岩手大農学部が持つ森林・林業分野の幅広い知見を生かし、県内の森林伐採と再造林を加速させる。県産材の需要減や人手不足などの課題解消にも取り組み、林業従事者の経営安定を目指す。両者が26日、包括連携協定を結んだ。戦後に植えられた県内の人工林は伐採の目安となる時期を過ぎて二酸化炭素(CO2)吸収量が落ちた樹木が多くを占める。住友林業(本社・東京)などがいわき市に設立した製材工場が24日に稼働するなど、課題だった受け皿の整備が進んでいるのを踏まえ、一定区域の樹木を全て伐採する皆伐に本腰を入れる。土砂災害を防ぎながら皆伐を進める方法や、戸建ての減少で木材の需要が減る中でサプライチェーン(供給網)をいかに構築するかなどを岩手大農学部に学ぶ。学生に県内の研修フィールドを提供し、林業を担う人材育成にもつなげる。連合会は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後、市町村による「ふくしま森林再生事業」のコンサルタント業務を担ってきた。情報通信技術(ICT)の技術指導などを受けてきた岩手大農学部との連携を強め、林業従事者の経営基盤強化につなげる。締結式は郡山市のホテル華の湯で行われ、連合会の田子英司会長と農学部の国崎貴嗣森林科学科長が協定書に署名した。田子会長は「15年の遅れを早急に取り戻し、林業と木材産業を復興させる」と決意を述べ、国崎学科長は「地域に根差した実学の教育で、お力になりたい」と語った。

