2025年度日本芸術院賞選出 玉川信一さんに聞く 自身の内面見つめ描く

  • [エリア] 福島市 会津坂下町
2025年度日本芸術院賞選出 玉川信一さんに聞く 自身の内面見つめ描く

福島のニュース

2025(令和7)年度の日本芸術院賞に選ばれた、会津坂下町出身の洋画家・玉川信一さん(72)は福島民報社の取材に対し、「受賞によって作品が優れるわけではない。これからも自身の内面を見つめた作品を描いていく」と作品制作へのさらなる意欲を示した。―受賞作品について。「万人受けしない作風と捉えている。人間の心情、存在の不確かさを描こうとすると、描く側も見る側もどうしても暗く、ネガティブな印象を抱きがちだ。作品に共感を覚えてもらい光栄」―作品のモチーフは。「真正面に向かって立つ人物は私自身をモデルにしている。真っすぐを見つめる視線は、大学院修了後に勤務したろう学校の生徒を参考にしている。口の動きを読み取ろうと視線を送る生徒の瞳が忘れられない」―心象的な絵画の追求が評価された。「作品には私の内面性が反映されている。特定のモデルを持たず、体験や記憶の集積からふと浮かび上がったものを作品に表出させることを意識している」―作品に福島の風景を反映することもある。「福島市を訪れた際、新幹線のホームから見える吾妻小富士の火口やその雄大なパノラマに思わず声が出た。高校時代を過ごした福島市の盆地の風景は作品の空間づくりにも反映されている」―今後の活動は。「絵画の造形的なリアリティーを追求する。福島県では以前に個展を開いたこともある。声がかかれば、また県内で展示会を開きたい」