情報誌「会津嶺」休刊へ 創刊47年の歴史に一区切り 福島県会津の文化、暮らし伝える

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情報誌「会津嶺」休刊へ 創刊47年の歴史に一区切り 福島県会津の文化、暮らし伝える

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1979(昭和54)年の創刊以来、福島県会津の文化や暮らしを伝えてきた月刊タウン情報誌「会津嶺」が3月号(564号)をもって休刊することになった。時代の変化を受け、タウン誌の役割を見つめ直す中で苦渋の決断となった。スタッフは「会員店や読者、多彩な執筆陣に支えられ、47年間続けられてきたことに感謝したい」と話している。会津嶺は1955年創刊の日本初のタウン情報誌「銀座百店」をモデルに始まった。東京・銀座の100店が発行事業のために「銀座百店会」を結成したのに倣い、会津若松市を中心とした商店や企業の有志が「宝嶺会」を設立し、会費や広告費で月刊誌の運営を支えた。会員は県内外にも広がり、100近くになった。会員店には毎月、一定部数が届き、各地の読者や観光客に親しまれてきた。発行元「あいづね情報出版舎」(会津若松市)の編集スタッフ新城伸子さん(56)は「会津にとって風土記のような役割でありたいと思ってきた」と話す。最終号でもさまざまな分野の執筆陣が伊佐須美神社の歳時記や只見川の自然、日本酒、農業、抹茶、歴史などの話題をつづり、会津ならではの読み物が目白押しだ。「継承すべき文化や、その時代の出来事を記録することを意識してきた」と振り返る。ただ、「会員店に毎月、数人のスタッフで直接届ける仕組みが難しくなりつつあった」と話す新城さん。さらに、インターネット、交流サイト(SNS)が浸透している現在、創刊メンバーで歴史春秋出版社長だった故阿部隆一さんと昨年夏ごろから「一度、一区切りにしようか」と休刊について話したという。会員店や一般の読者からは「いつも読んでいたのでさみしい」「いつか復活して」と惜しむ声が届く。新城さんは「またいつか、違う形でも復刊できたら」と話している。【写真】「会津嶺は会津の風土記だった」と語る新城さん